「朝も早からヨー カンテラさげてナイ」
おなじみ(そうか?)、常磐炭坑節の出だしの一節である。
カンテラを提げていないのではなくて、「カンテラ提げて」+「ナイ」。ナイは接尾語w
映画「フラガール」の最終盤で、富司純子扮するお母さんがストーブを集めるのに頭を下げて回るシーンがある。
ハワイアンセンターに植えられた椰子の木を保温するために、ストーブを借り集めるのだが、そのストーブが石油ストーブで、時代は既に石炭から石油に代わっていることを想起させる。
このとき、ストーブを貸してくれた人にお母さんがひとこと。
「ありがとない!」
いいっすねー。しみじみくる、ふぐすまの言葉ですね。
つーか、東北地方の言葉はよく「ズーズー弁」として一括されてしまうけれど、同じ県内であってもかなり違うことが多いので、福島の人がみんな「ありがとない」というかどうかは知りませんがね。
ということで、日曜にwowowで放送されたので、見ました「フラガール」。
新潟県の人はどうなのか知らないが、私が子供の頃「常磐ハワイアンセンター」といったら、庶民の憧れの的。
仙台の郊外の方に、国道沿いだったか線路沿いだったか忘れたけど、乗り物で移動中に見える「ハワイアンセンター」の大きな看板があって、椰子の木とかフラダンサーとかの絵が描いてあって、それがものすごくエキゾチックだった。
新婚旅行といえば、親戚のおねえちゃんが「飛行機で宮崎に行く!」ってんで大騒ぎだったくらいだから、ハワイに行くなんて夢のまた夢。それが隣県で「ハワイ」が体験できるとあって、人気はものすごかったようだ。それも、誰でもいけるところっていうより、お金持ちがいくところ、「いつかはハワイアンに行ってみたい」(ハワイじゃないのかよw)というような存在だったのだ。
※ちなみに、海外渡航自由化は1964年4月1日
高見山初土俵も1964年
常磐ハワイアンセンター開業が1966年
その「常磐ハワイアンセンター」(現:スパリゾートハワイ)が、炭鉱閉山後の事業として考えられた、日本初のテーマパークであったことは、この映画で初めて知った。まったくもって、信じられないほど画期的な、すごい発想をした人がいたものだ。東北地方の中では常磐は温暖な地域ではあるけれど、そこに「ハワイ」を作ってしまおうとは。
昨年、開館以来の入場者数が延べ5000万人を突破したそうだ。
映画のヒットもあって、再び客数が伸びているとか。
この手のリゾート施設が軒並み赤字で閉鎖しているのに比べると、大違いだ。戦略がしっかりしていた、ということなのだろうか。
映画は普通に楽しめます。
しずちゃんがカワイイw
夜の駅で先生を引き止めるシーンは、よけいだったと思う。
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