我が心の栗駒山

宮城・岩手・山形三県の県境にまたがってそびえる、標高1600メートルほどの美しい山。
栗駒山。
付近一帯は国定公園になっており、ブナの原生林や美しい自然が広がっている。夏でも山頂付近には雪渓が残る。
その栗駒山が、地震による土砂崩れや崩落で、無残にも茶色い山肌を晒している。
今回の岩手・宮城内陸地震で2番目に強い震度の「震度6弱」と発表された宮城県大崎市は、私の実家のある町と隣接した市である。(もちろん町村合併でやたら「市」が大きくなってしまい、山形との県境の鳴子から平野の古川市までが全部「大崎市」とひとくくりにされているおり、私の実家は震源地からはかなり遠い方にあたるわけだが。)
家屋の倒壊などの被害が少なかったとはいえ、聞き覚えのある地名の被災状況がTV画面に映し出されるのは、なんとも心が痛むものだ。
栗駒山は宮城県北部随一の山と言っていい。
私が通っていた中学では、「栗駒登山」なる学校行事があった。
初めての本格的な登山。
これは一種の通過儀礼のようなもので、「栗駒山を登りきった」ということが子供心にも大きな自信になる。
30年以上も前のことなので記憶は薄れているけれど、その時の達成感だけは心に残っている。
その後も何度か栗駒に登った。
高校の生徒会の夏合宿。
栗駒山の中腹に「世界谷地」という湿原があって、原生花園(お花畑)をなしている。5・6月ならミズバショウやニッコウキスゲに覆われる美しい場所。夏休みだったので花の季節はとうに過ぎていたけれど、湿地帯には尾瀬のように木製の歩道が張りめぐらされていて、散策できるようになっている。ブナの原生林を抜けながら歩く道は本当に美しかった。
今思うと、おそらくこの合宿のときテントを張ったのが、今回土砂に覆われた「駒の湯」のすぐ手前にある「駒の湯キャンプ場」だったのではないかと思われる。Webでみたところ、見覚えのあるキャンプファイヤーサークルがあったので。
おそらくこのキャンプ場も、今回の地震で土砂に覆われてしまっただろう。
自然の力、地球の力は想像もつかないほど大きい。
山一つ、簡単に崩してしまうのだな。



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