歩いて上まで登りました 高さ98m 塔の上から見た街並み ボローニャ大学の、とある学部内 旧ボローニャ大学 左の壁面に飾ってあるのが「紋章」 解剖学教室 | 9/17 | ボローニャに来たからには、塔に登らねばならぬ。ヨーロッパ最古の大学、ボローニャ大学にも行かねばならぬ。ということで、ボローニャの朝は忙しい。昼まで荷物を預かってもらうことにし、とりあえずホテルをチェックアウト。 早朝から見学が可能なサン・ペトロニオ教会を見、マッジョーレ街を散策したあと、アシネッリの塔に向かう。ボローニャの2つの塔はいずれも12世紀に建てられた物で、この時期は皇帝派と教皇派が競って高い塔を建てたんだって(受け売り)。 塔の入り口の階段を登っていくとチケット売場がある。おしゃべりに夢中でやる気のなさそうなお姉ちゃんからチケットを買い、延々と続く階段を登りはじめる。全498段。細長い塔の内壁にらせん状に取り付けられた階段は、かなり急で、踏み幅も狭い。足の大きい男の人だったら、踏み外しちゃいそう。途中、何ヶ所か板張りの踊り場が設置してあって、休めるようにはなっているんだけど、まるで登山だ・・・。 日本人らしき若い男性が下ってきたので、「まだまだですか?」と聞くと、「そうですねー、まだまだですねー(笑)」。 どれくらいかかったろう、足がガクガクになりながら、ようやく塔の頂上にたどり着く。天候もよく、眺めは最高!風も心地よい。そして何より、ボローニャの煉瓦色の街並みが美しい!圧倒されます。 前日、スタジアム行きのバスから見た風景からすると、古い建物が建ち並ぶ旧市街と、新しいアパートや住宅地が広がる新市街とは、大きな環状道路を隔ててくっきり分かれているようだった。サン・ペトロニオ教会とマッジョーレ広場を中心にして放射状に道路が伸び、円形に街が広がる中世都市。その中世の街が、いいところをそのまま残しながら発展してきているんだなー。 狭い階段は、下りも恐い(笑)。ふーふー言いながら下まで降りる。次は、現在のボローニャ大学を見に行く。 塔の下からボローニャ大学へと続く道は、本当に「学生街」という雰囲気。本屋があり、ポルティコの下にはカフェの椅子が並び、柱や壁には、たぶん「アルバイト募集」みたいな感じのチラシがたくさん貼ってある。本を抱えた学生さんたちがたむろしたり、道を闊歩していく。 大きなキャンパスもあるのだが、道沿いにいくつかの学部の建物があるみたいだったので、こっそり門から中に入ってみた。中世貴族の館をそのまま使っているようで、広い中庭がある。それを取り囲むようにして回廊があり、教室がある。のぞいてみると、階段教室があったり、小さなゼミ室みたいのがあったり・・・。 新しい大学、といっても、旧ボローニャ大学が使われていたのは1803年までだそうだから、もう200年近くこちらで学生さんたちが勉強しているわけだ。ほおおおお。 ということで、今度は旧ボローニャ大学を見学へ。昨日は休館日だった上に場所すら見つけれなかったんだけど、地図を頼りに行ってみると、今度はすぐに分かった。昨日は扉が閉まっていたので、気づかずに通り過ぎちゃったみたい。 旧ボローニャ大学は、16世紀建造の天井の高い建物で、中庭が美しい。回廊や廊下の壁には、たくさんの紋章が飾ってあった。ここで学んだ学生や教授の紋章だという。ということは、やっぱり、貴族の子弟が学んでいた、ってことなのかな? 建物内の「テアトロ・アナトミコ」教室を見に行く。人体解剖の講義が行われた教室で、正面には講義用の演壇、中央に解剖台(木造のテーブルの上に石製の台)があり、それを取り囲むような階段教室になっている。教会の反対をものともせず、世界で初めて人体解剖の実習が行われたという。さすが、自由都市ボローニャ! 第二次大戦で建物がかなりの被害を受けたそうで、爆撃で壊れた建物や修復の様子などが写真で展示してあった。 昼になった。ピザやスパゲッティはもういいや、って感じだったので、シーフードのリゾットを食べる。久しぶりの米(笑)。やっぱりご飯はいいよね。うん。 ホテルに戻って荷物をピックアップし、マッジョーレ広場からタクシーで駅に向かう。さて、次はいよいよフィレンツェだ。 自動販売機で、フィレンツェ行きのES(ユーロスター:新幹線)の2等指定席の購入を試みたんだけど、何度やっても最後の購入画面でエラーになってしまう。仕方がないので、窓口で切符を買うことにする。行き先と列車番号などを紙に書いて「この切符が欲しい」と係員に見せると、イタリア語で「$#・・&%*@!」とのこと。はあ?。今度は英語で「&%$#@*, 9 or 10」。最後の「9 or 10」しか聞き取れない。切符はちゃんと発券されたので、代金を払う。日本円で一人1,500円ほど。 買った切符を見ると、指定を頼んだのに席指定が書いてない。確かESは座席指定が必須のはず・・・。えー、どうしよう。窓口に再確認に行こうと思ったが、言葉が通じそうにないのと、開いてる窓口が少なくて行列になっているのとで諦める。まあいいや。切符を売ってくれたんだから、これで乗れないことはなかろう。開き直りじゃ(笑)。 かくして14:24発のローマ行きESに乗り込む。車内は満員。一応2等の車両に向かう。途中車掌さんに切符を見せると、「9号車か10号車に行け」とのこと。あ、そうか!駅の切符売り場の人が言ってたのはこれだったのね。指定席は満員だから、自由席の車両に乗ってね、ってことで。ほう、なるほど。ここで納得。 とにかく自由席車両までたどり着いたのはいいけど、ここも満員で、結局フィレンツェまでの1時間は立って行くことになった。列車の乗降口付近にしゃがみ込んで新聞を読んでる人あり、外を見ている人あり。日本の混んでる新幹線の風景と全く同じだった。 | ||||||
フィレンツェで泊まったホテルのドア ピカピカの四角い真鍮部分にある 呼び鈴を押すと、ドアの鍵が開く |
立ちっぱなしで、ようやっとフィレンツェの駅に着く。さすが花の都フィレンツェ。駅も大きく、たくさんの観光客でごった返している。 ホテルは駅から300mほどなので、地図を頼りに歩くことにする。中央市場裏手のLa Noce通り、間違いないはずなのにホテルが見つからない。いや、ホテルの看板は見えているのに、入り口が分からない(爆)。何度か道を行ったり来たりした後、やっと分かった。 道路に面して大きな木の扉があり、その脇に呼び鈴がついている。5階建てくらいの古いこの建物は、2階と3階がホテルになっていて、その他の階は普通のアパートか何かになっているらしかった。ホテル名のところの呼び鈴を押して、インターフォンで呼びかけてみる。すると、「Push, push」とか言う声が聞こえてきた。扉を押すと、開いた!呼び鈴を押すと鍵を開けてくれる仕組みで、中に入って扉を閉めると自動的に鍵がかかるようになっていた。 荷物を置き、さっそく町に出かけることにする。フィレンツェの街は歴史的建造物だらけ、と言ってもいいくらいで、歩いていける範囲だけでも見どころがたくさんある。 まず、ホテルから5分くらいで「メディチ家リッカルディ宮」へ。入り口でチケットを買うと、いきなり日本語のリーフレットを渡される。やっぱり一目で日本人と分かるのでしょうか・・・。ここでは、有名な「東方三博士の礼拝堂」と、天井画が美しいルカ・ジョルダーノの部屋を見学。 次に、また歩いて5分くらいでドゥオモ広場へ。「花の聖母大聖堂」とも言われるフィレンツェのドゥオモは、俄にはその大きさが実感できないほど壮大で、白い大理石が美しい。すでに閉館時間を過ぎていたので、向かいにある「洗礼堂」を見学。その後、シニョーリア広場を通ってヴェッキオ橋へ行ってみる。とにかくどこに行っても観光客で溢れている。そして、あちこちから聞こえる日本語(苦笑)。 広場にあるリストランテで食事をし、ホテルに戻る。塔に登ったり、電車では立ちっぱなしだったり、疲れた1日だった・・・。 | |||||||
かくして長い1日は暮れる(続く) |