イタリア〜ンな旅成田→ミラノ→パルマ→ボローニャ[1][2][3]→フィレンツェ[1][2]→ローマ[1][2]→ミラノ[1][2]→パルマ→ミラノ→成田



パルマのホームスタジアム
スタディオ・エンニオ・タルディーニ


チケット売場はプレハブ
席種ごとに窓口が違う


女性用のチケット
割引値段で男性用より小さい





ブレシアのサポーター



パルマ側G裏






攻め込むパルマ
中央ミロシェビッチがポストに





ボールを持って上がっていく中田
9/23昼過ぎにパルマの駅に着いた。降りた乗客十数人の内、半分以上が日本人・・・(苦笑)
まずはスタジアムまで行って、チケットを入手しなければならない。雨の中、タクシー乗り場で10分くらい待ってると、ようやくタクシーが来た。この様子では、帰りにタクシーをつかまえるのは無理そう。ちょっと不安になる。

スタジアムは、緑に覆われた住宅地の中にあった。近くの出店をのぞいてみる。パルマのピン・バッチ(去年のユニのバージョン)をお土産に数個購入。夫はパルマカラーのニットマフラーを買った。
そんなこんなしているうちに、スタジアム正面にあるプレハブのチケット売場が開いた。いくつかのカテゴリの値段が表示してあったが、どれがどの辺の席なのか分からない。とりあえずはtribuna席を買えばメインに座れるだろうと思い、tribuna centrale estの席を購入した。値段が二通り表示してあったので「?」だったのだが、売場の女性が書いてくれた説明によると、同じ席でも男性が100,000リラ、女性が65,000リラなのだった。

スタジアムから見て左手にあるピッツェリア&リストランテで昼食。その後、バス停でバス時刻の確認。駅まで歩くことも考えて、表示してあったバス路線図で駅までの道順をチェック。前半終了間際に席を立てば、徒歩でも間に合いそうだ。よし。
午後2時を過ぎると、ずいぶん賑やかになってきた。大型バスがやってきたかと思うと、窓から身を乗り出したブレシアのサポーターが「バッジョ!バッジョ!ロベルト・バッジョ!」と両腕を振りながら大声で叫んでいる。あんたら、喧嘩売りに来たんか〜(笑)。あちこちにパトカーが止まっていて、銃を持った警官が何人もスタジアム周辺をパトロールしていた。

いよいよ開場になったので、正面入り口へ。ところが、チケットを見せると、「この席の入り口はこっちではない。反対側の入り口に回れ」と言われた。なして〜(泣)。
(tribunaだから正面側、と思ったのは私のミス。座席の呼び方はスタジアム毎に違う。ボローニャの場合はそれでよかったのだが、このエンニオ・タルディーニ・スタジアムでは、tribuna centrale estはバックスタンドの中央席のことだったのだ。後の祭り。パルマのオフィシャル・グッズ・ショップは、スタジアム正面側にある。そこでいろいろお土産を買おうと思っていたのに、バックスタンドに行けとは・・・。もお、がっかり。)
パルマのバックスタンド上部は、鉄パイプと木材で組み立てた仮設スタンドのようになっている。係りのおじさんの指示で、工事現場のような階段を登って席に着く。座席も通路も木製なのだが、スタジアムは禁煙ではないらしく、みんなスパスパたばこを吸ってて、正直恐かった。火事になったらどうするん。

選手紹介が始まった。文字しか出ない電光掲示板に選手の名前が表示されていく。とにかく中田先発でホッとする。FWはミロシェビッチとボナッツォーリ。「なぜディバイオを出さん、ウリビエリ」と呟いてみたり。ピッチ上に選手が出てきた。走り回るバッジオ様のお姿に、はあと!こんなところで生バッジオ様にお目にかかれるなんてー!!シアワセ!ブレシアには、元ペルージャのマッツォーネ監督もいるし。きゃーきゃー。

いよいよキックオフ。今日の中田は積極的。どんどんシュートを打っていくつもりのようだ。パスの出し所がないのは相変わらずの様子。ミロシェビッチはスペースに走り込むタイプじゃないし、ブレシアもガッチリ守っているので裏をつくのも難しそう。出し所がなきゃ自分でシュートだっ!ってことか。
それにしてもパルマの観客はきびしい。ミスには敵味方問わずブーイング。中田のパスミスにも容赦ないブーイング。さらに、今日のブレシア・サポーターの標的は中田らしい。日本のスポーツ紙では「10番対決」とか言って中田とバッジオを並べて扱っていたみたいだけど、前日のガゼッタにも、ちょこっとそんな記事が載っていた。ブレシア・サポからすれば、「アッズーリの至宝バッジオ様を、お前みたいなヤツと一緒にされてたまるか」みたいなとこもあったんじゃないかな。敵からも味方からもブーイングを浴びせられて、ホントに大変そう・・・。よほどタフでなきゃやってけないよねえ。
ブレシアの応援はすごくて、三々七拍子みたいな手拍子を全員で一斉にやるんだけど、ぴったり揃ってて大迫力。人間の手だけであれだけの音量が出せるとは。ちょっと驚きデス。アウェイに乗り込んでくるだけあって、すごい気迫を感じた。

残念だったんだけど、0−0のままの前半終了間際で席を立つ。15時45分。地図とメモを頼りに駅まで歩くことにする。とにかく乗り遅れたら大変なので、早足で歩きに歩いた。途中ちょっと不安になって、通りすがりの紳士に駅の方向を聞くと、思っていたのと違う方向を示された。えっ、そうなの?ますます不安になって、今度は自転車のおばさんに道を聞く。すると、とても丁寧にイタリア語で説明してくれた。言葉は全然分からなかったけど、なぜか道順はとてもよく分かった。おばさん、ありがとう!言われた(?)通りにしばらく歩いていくと、ようやく見覚えのある駅前の通りに出た。

駅に着いたのが16時15分くらい。発車時刻まで、まだ10分ある。はー、よかった。ホッとしながら、列車の到着ホーム確認のために掲示板を見ると・・・なんと「25分遅れ」の表示が!がーーん。しかも、次の列車は運休になっているらしい。いやーな予感がし始めた。
このまま列車がくればいいけど、もし更に列車が遅れたらどうなるだろう。予定では遅くとも午後8時には空港に着けるはずだったのだが、それもあやしくなってきた・・・。にしても、結局は待つしかない。地元の人は、それが当たり前のことであるかのようにのんびりと列車がくるのを待ってるようだったし。
とりあえずはホームのベンチに座ってひと休み。そこでようやく、帽子がないことに気づいた(笑)。ユニクロのリバーシブルの帽子。スタジアムから歩いてくる時は小雨が降っていたので、確かに帽子をかぶってた。あんまり急ぎ足で夢中になって歩いてきたんで、途中で落としたのかも・・・。でも、疲れと不安とで、そんなこともどうでもよくなっていた。とにかく一刻も早く列車がくることを祈っていた。
が、しかし、時々流れてくる放送に耳を澄ますと、どうやら列車は更に遅れているらしかった。このまま遅れてくる列車に乗った方がいいのか、それとも、あまり遅れがなさそうな次の特急列車に乗った方がいいのか、いろいろ悩んだ。どちらがミラノに早く着くのか、なんとも判断できなかった。結局、およそ40分遅れでIR列車がやってきた。もうこのまま遅れずに進んでいってくれることを祈るしかない。列車はほぼ満席だったので、乗降口のところに立ってミラノまで戻ることになった。

列車が動き出してしばらくすると、近くに立っていた日本人男性が夫に話しかけてきた。なんとこの人(以下、Oさん)も、パルマで試合を観てきた帰りだという。Oさんは、元々は17時28分発のICに乗る予定で、ゲームは後半40分まで見てきたのだそうだ。その時点では0−0で、ミロシェビッチからディバイオに交替してからパルマのチャンスが増えたようだった、などと話してくれた。「ちょうどスタジアムを出たときに、ウォーーーっていう歓声が起きたんですよねぇ」と、名残惜しそうに話していた。
(知ってる人は知ってると思うけど、この日は、中田がパルマで初ゴールを決めた日!しかも、その得点は後半42分。つまり、Oさんが背中で聞いた歓声は、中田初ゴールを祝う歓声だったわけ。せっかく数分前までスタジアムにいたのに、ゴールの瞬間を見れなかったとは・・・。かわいそうなOさん。)
聞けば帰りの飛行機も同じ21:15発の便。サッカーのこと、旅程のことなど、いろいろおしゃべりした。今日は国鉄のストライキだったことなども、この時Oさんに教えてもらった。もしストがあると初めから知ってたら、私たち、パルマにはこなかっただろうな。知らなくてよかったのかもな・・・。何事も良い方に考えよう(笑)。
その間にも列車は、駅以外のところで停車しちゃったり、スムーズには運行していないようだった。でも、Oさんとおしゃべりしていたおかげで、ずいぶんと気を紛らわすことができた。ホントに飛行機に間に合うのだろうか、内心ドキドキだったから。「このまま無事に帰れれば笑い話で済むんですけどねー」「そうですねー」なんて、実はお互い、けっこう顔を引きつらせながらの会話だったかも。
果たしてちゃんと日本に帰れるのか・・・?(続く)


by 渚@中途半端なバックパッカー
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