音楽・映画・本: 2007年7月アーカイブ
KURITAカンパニー 第2回公演 「テンペスト」
2007年7月6日(金)午後7時~
新潟市民芸術文化会館スタジオB
たまたまチケットを入手したので、劇団や公演内容にほとんど予備知識も持たないままの観劇と相成り候。
映画やTVで観たり、高校の英語劇wで「ヴェニスの商人」をやったりしたことはあるけれど、シェイクスピア劇を舞台で本格的に観るのは初めて。「シェイクスピアは言葉の劇である」といわれるけれど、そのセリフの多さというか、人間の口から発せされる「言葉のちから」のようなものに圧倒される舞台であった。
会場が、芸文の「劇場」ではなく「スタジオB」だったのも、新鮮だった。
フロアが舞台であり、仮設の客席がくみ上げられている。前方の席は、文字通り「目の前で」役者の演技を見ることができる。客席は全部で120席くらい?その狭いスペースに1幕2時間の、濃密な演劇空間が繰り広げられる。
舞台上で奏でられ続けるピアノと、効果音のように流れる歌や踊りが、独特の空間を生み出していた。
カンパニー主宰の栗田芳宏さん(ちょーカッコええ!)
昨年の、能楽堂でのシェイクスピアシリーズを演出した人で、芸文のアソシエイト・ディレクターになってるんだそうな。カンパニーの目的が「新潟の地でシェイクスピア劇を学ぶ専門の組織をつくり、世界でも通用するような俳優を一人でも多く育てたい」というだけあって、栗田さん以外の役者は、みな若い人ばかり。それが、とても魅力的!
エアリエル役の役者さんに惚れましたw
芸文といえば、Noismの金森穣さんが舞踏部門の芸術監督として、日本国内のみならず海外ツアーも成功させている。もちろん、新潟から「外への発信」っていうだけじゃなく、「Noismを観に新潟に来る」っていう流れも当然できてくる(イタリア軒で「Noismのチケット+宿泊」っていうプランをやってるのだ)。
コンサートホールのほうも、東京交響楽団と準フランチャイズ契約を結んで、定演をするだけじゃなく、「にいがた東響コーラス」として毎年市民合唱団を組織しての演奏会がある(かなり高レベル)。
KURITAカンパニーも、「新潟から発信」を謳っている。いいものを発信しつづけていれば、人が集まってくる。そんな、発信力も求心力もあるような劇団に育っていかれることを祈念いたしますm(_ _)m
なにせ新潟には、芸文(りゅーとぴあ)という「器」がある。
この器に命を吹き込むのは、やっぱり「人」なわけで、その点で言うと、コンテンポラリーダンスのカンパニーをレジデンシャル・カンパニーにもってきた新潟市の決断というのは、なかなかどうして、すごいと思う。
演劇だの演奏だののチケットは決して安い値段ではないので、せめて地元で見られれば、交通費がかからずに済む。
私の場合はそういうみみッちい動機ではあるんだが、新潟にいながらにしてゲージツに触れられる環境というのは、非常にありがたいし、是非そのような都市に新潟がなってほしいものだと思うのだ。